◆PROFILE
柏木章嘉 2013年4月入社
食品安全管理本部 国内FSM部 部長代理
名古屋外国語大学大学院 国際コミュニケーションコース修士課程修了
学生時代はフランスへの留学も経験。大学院でフランスの食文化について研究していたこともあり、食に関わる会社に狙いを絞って就職活動を行う。トリドールホールディングスには新卒一期生として入社し、店舗勤務を経て唯一の本社勤務となる。
・柏木さんは新卒でのご入社ですが、最初から飲食業界を志望していたのでしょうか。
大学院でフランスの食文化について研究していたこともありましたので、食に関する仕事が就職先の選ぶ上の重要ポイントでした。それ以外に私が条件として掲げていたのが「6年間学んできたフランス語を活かせること」、そして「地元・兵庫県の会社であること」でした。
当社との出会いは、兵庫・神戸の企業が集まる合同説明会に参加したのがキッカケ。私は当社ともう一つ、大手チェーンストアの運営会社を受けました。当時はもう一つの企業の方が圧倒的に学生の数が多く、まだ知名度の低かったトリドールについては2〜3名程度の学生しか集まっていない状況でした。
・今ではちょっと考えられない参加人数でしたね。
その2年後には予約を入れないと参加できないくらい希望が殺到していますので、その間に随分と知名度が上がったんだなと思いました。そして「フランスへの出店を計画している」の一言に惹かれたからです。しかし、現在までにフランスへの出店計画が遂行されていないので、「あれ?騙された?」なんて思っています。
…というのは半分ジョークですが、私がフランス語を専攻していることに当時の担当者が強く興味を示し、個人的に話をしようと呼び出されて、1時間ほどずっと話し込んでいました。その会話の中でフランスへの出店計画を聞かされまして、担当者からも「ぜひ、うちに来なよ」とのお誘いをいただいたのです。その当時の説明会でも海外展開についての説明がありましたので、会社も強い情熱をもって私に声をかけくれたのでしょうね。その本気の姿勢にこれからの成長に期待が持てたことも、入社を決断した大きな理由となっています。
・実際に入社してから、会社の印象はどのように感じましたか。
新卒社員はまず1ヶ月程度、丸亀製麺にて店舗研修を受けるのですが、裏側に入ると意外と汚れなどが放置されているなと感じました。飲食業ですから衛生面においては厳しく注意しなければならないのですが、当時は接客や調理が忙しいという理由で放ったらかしになっているところも少なくなかったです。一言で言い表すと「ちょっとこれはないな」と。いくら急成長しているとはいえ、解決しなければいけない課題も多い印象はありました。
研修終了後はみんな店長へ登用されるのに対し、私は副店長からスタート。店長には3ヶ月遅れで登用されたのですが、その時に店長の仕事ぶりを客観的に見ることができました。当時の優秀とされていた店長は、2店舗3店舗も見て当たり前という状況。それを目の当たりにして「これで本当の意味でのサービスを提供するのは無理じゃないか?」と、マネジメントにおいても改善の余地が多いなと感じました。
・業務過多になれば、サービスの質も落ちるリスクがあるとも言いますね。
実は当時の新卒組の中で、私だけが唯一本部勤務となっています。その背景には仕事のやり方について、会社へ意見したことが関係しているのではないかと考えています。当時の私は、寝る間を惜しんで店舗に出ていました。当然ですが長時間労働となりますし、休みも返上しているので、会社は「休みなさい」と勧告します。しかし、店長が不在だと店舗に迷惑がかかってしまう。このままではいけないと会社に申し出たところ、その半年後に本部へ異動。おそらく「それだけ課題意識があるなら、やってみなさい」という表れだったのかもしれません。
・現在の部署に移ってからは、どのような業務に携わっているのでしょうか。
国内に展開する店舗からお客様に関することまで、食品安全に関する業務全般に携わっています。具体的には店舗に関する監査業務、衛生管理などに対する店舗への直接指導、そして講習会などの開催や店長・マネージャークラスの育成など。様々な取り組みを行っています。
異動して最初の1年間は店舗に対して、ルールを守れという指導を行っていました。私も現場経験があって店舗の事情も理解できるので、どのように対処すればいいか苦労をしました。次に配属となったマネージャーになってからは、逆になぜ指導をしなければならないのか、店舗へきちんと説明して相手に理解を促せるマネジメント方針へと変更。そのおかげで私も丁寧に説明ができるようになり、相手も納得していただけるようになりましので、だいぶ仕事がやりやすくなりました。
・現在はどのようなミッションのもとで業務にあたっているのでしょうか。
現在は商品安全に関してある程度の仕組み化ができている状況ですので、今後はさらなるブラッシュアップと店舗内における仕組みの安定化を推進しているところです。たとえば先ほど話にあった衛生面に関することですが、ピーク時の忙しさにかまけてテーブルを拭かなかったり、汚れたものを溜め込んだりすることがあるとします。現場とすれば「忙しすぎて余裕がない」と言い訳しがちですが、そんなお店に誰が行きたいと思うのか、となりますよね。
冷静に考えれば、こまめに掃除をする癖をつける方が長い目で見た時に必ず利益として返ってくる。お客様はお店の都合なんて考慮してくれませんから、本当に選ばれる店舗となるために何を大事にしなければいけないのか、そこを店舗も真剣になって考えて意識と行動を変えてもらうように指導していきたいと思います。あと、テーブルが汚くなるには何かしらの原因がありますので、現状を分析した上で改善に取り組んでいきたいとも考えています。
・最後に、今後のビジョンについてお聞かせください。
これまでもフードセーフティにおいて、ゼロから1をつくるような仕事に取り組むことよって、私も成長できたのかなと思います。ビジョンについては大きく分けて二つあるのですが、一つは国内に対する当社の取り組みに関する情報発信です。今、私たちが取り組んでいることに間違いはないと考えていますので、何かしらの形で世の中へアピールすることによって、私たちの食品安全に関する理解は進むでしょうし、これを真似する企業が出てきたら社会全体も変わっていくと思います。
もう一つはもともとの入社動機にもあった、フランスをはじめとするグローバルな事業拡大に寄与すること。これまで2回ほど海外出張をさせていただいていますが、これまで国内で行ってきたことは海外でも活かせるのではないかと考えています。海外の様々な国や地域に対し、私たちが積み重ねてきたノウハウを伝えていきたいですね。今後はこのビジョンを実現させていきたいのですが、もしもそれができなければ、私はこの会社に対する存在理由はないと考えています。…まあ、これも半分冗談ではありますが、半分本気でもあります。