トリドールグループのDXを推進する組織として、DX推進室、情報セキュリティ推進室、データマネジメント推進室の上に、さらにビジネストランスフォーメーション本部を設置した体制をとっています。ビジネストランスフォーメーション本部本部長は、磯村康典執行役員CIO/CTOが兼務し、DX戦略や方針を策定し、施策の有効性を検証します。常勤12名体制で業務改革プロジェクトを推進し、BPO/SaaSベンダーが各種デジタル基盤を運用しています。

社内のIT人材としては、経営理念へ共感し、デジタルに抵抗感を抱かずにリスキリング意欲のある方が好ましいと考えます。また、すべての職種において大切な基本的なスキルは「コミュニケーション力」であると考えます。他部署や経営陣のみならず、ベンダーとのコミュニケーションなどが、プロジェクトをスムーズに進めることができるかどうかの鍵となります。
以下の職種ならびに求める人材像が、トリドールグループとして必要とするDX人材となります。
ITストラテジスト
経営理念、経営戦略を踏まえてDX戦略を構想し、全社的な旗振り役(CIO候補)
システムアーキテクト
DX戦略の実現に最適な技術を組合せて、システム全体構造を構想できる人材(CTO候補)
ビジネスアナリスト(兼プロジェクトマネージャ)
事業や業務の目的や目標を理解して、各ステークホルダーと合意形成しながら、プロジェクトを推進する人材
データマネージャー
データレイク、iPaaSを活用し、SaaSやAIが活用できるデータ環境を構築できる人材
セキュリティマネージャー
ゼロトラスト、脅威インテリジェンスなど最新のサーバーセキュリティ技術を活用しつつ、ISMSやPIMSをリスクマネージメントシステムを運用できる人材
営業10年の社員がDXのプロジェクトリーダー
DX推進室の窪田伸行は、店舗の従業員のワークスケジュール(WS)を自動生成するプロジェクトのリーダーです。これが完成すれば店長は、負担の大きいスケジュール作成・管理から解放されます。
窪田がDX推進室に異動になったのは、2021年9月のことでした。以前は丸亀製麺の4つの店舗で店長を経験し、その後本社へ異動、営業部を支援する部署で10年勤め、IT関係の経験はありませんでした。独学で IT専門用語を理解できるよう努め、ITパスポート取得など基本的な勉強はしました。しかし、同時にプロジェクトのリーダーとして、プロジェクトを進めなければなりません。
店長経験者だっためWSの作成には詳しいものの、さまざまなケースが存在するため、社内の聞き取りをはじめ自動生成のための要件定義は困難を極めました。特に社内の関係部署との協議、また社外のベンダーとの協議など、IT技術を駆使するというよりは社内外の人たちとの今後行っていく業務の検討やその調整、システムに求める要件の交渉がプロジェクト推進の要となりました。こういったプロジェクトの推進担当でありながら、窪田は同時に社員向けeラーニング導入と優待券電子化のプロジェクトリーダーも務めています。
窪田は「デジタルをテコに業務改革をするためには、あるべき姿にもっていくにはどうしたらよいのか」という今の仕事は、自分のキャリアビジョンに合致したものだと考えています。トリドールホールディングスのビジネストランス本部には窪田のようなキャリアをもつ人材が数名在籍し、それぞれがさまざまなプロジェクトで活躍しています。DX推進を進めえていく上で大切なのは、DX人材不足を解消するためのこういった人材登用の土壌が社内にあるかどうかも重要だと言えるかと思います。
